バウハウス出身の建築家でありデザイナーでもあったマルセル・ブロイヤー。
ブロイヤーが手掛けたデザインで有名なのが、「ワシリーチェア」。
この椅子はその名前の由来ともなったバウハウス時代の同僚であり芸術家であった
ワシリー・カンディンスキーのために作られたものだったのです。
この鉄と革でできた絶妙ともいえる形状の椅子が画期的だったのは、
もともと自転車のハンドルとして使われていたスチールパイプを使うといった斬新な発想の転換であり、
さらに自分で工具を使い組み立てができたりと、まさに来るべき大量生産にも向いた未来的な発想に基づいて作られていたのです。
デザインをする上で、ブロイヤーはできるだけ装飾性を排除しながら機能性を重点に置いていたことは、
彼が学んだバウハウスの理念、つまり美術や建築やデザインを統合した
総合的な芸術を目指していた同校の哲学をストレートに反映させたモダニズム精神に根ざしていたからです。
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